マイホーム購入の検討を始めた頃からよく聞く「住宅ローン控除」について、今回はまとめてみたいと思います。
最初7月にハウスメーカーの住宅展示場に訪れた際に、

9月までに契約すれば今の住宅ローン控除のルール適用に間に合います!
と営業マンに言われました。
ふらっと散歩がてら立ち寄った住宅展示場で、2ヶ月以内の契約なんて現実味がなくて、そこまで調べませんでしたが、今はマイホーム購入が現実的になったので調べてみました。
どうせ購入するならお得な方が良い、というのは私のモットーです。

お得に目がくらんで不良品を焦って買うのは嫌だけど、知識がないばかりに損をするのは絶対嫌だ!

そもそも住宅ローン控除とは?
住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用してマイホームを購入・増築等した際に受けられる減税の制度です。
基本的には所得税から控除されますが、所得税の納税額だけでは足りなかった場合は翌年の住民税からも控除されます(上限あり)。
ここはめちゃくちゃ基本的な説明なので、すでにある程度知識がある方は「控除期間・控除率が変わる!?」まで飛ばしてください!!
一度払った税金が戻ってくる
減税と聞くと「税金を支払わなくて済む」というようにも受け取れますが、住宅ローン控除は還付なので「一度払った税金が戻ってくる」というイメージです。
会社員であれば毎月給料から所得税等が天引きされて、手取り額を受け取っています。
今年天引きされた所得税の中から、住宅ローン控除額が戻ってくるのです。
住宅ローン控除額は、年末時点の住宅ローン残高に一定の控除率を乗じた金額となります。

医療費控除とかと同じ仕組みだね~
住宅ローン控除は自動的には行われない
住宅ローン控除は勝手に行ってもらえるのではなく、必ず申請が必要になります。
会社員の場合でも、初年度は「確定申告」が必要になります。
だいたい申請から1~2ヶ月で指定した銀行口座へ還付金が振り込まれるようです。
2年目以降は、会社の年末調整で申請をすれば確定申告は不要です。
その場合は、他の還付金と同じタイミングで会社から振り込まれます。(大体12月~1月の給与と同時期)

申請しないともらえないお金なので絶対に忘れないように!
住宅ローン控除適用には条件がある
住宅ローンを借り入れれば必ず住宅ローン控除を受けられるというわけではありません。
新築か中古か増改築かによって条件は異なってくるので、ここからは新築住宅の購入を前提に進めます。
- 減税を受けようとする人自身が、住宅の引渡し日から6ヵ月以内に居住すること
・・・住宅ローンの名義人が引き渡しを受けて半年経ってもそこに住まないのはNG - 特別控除を受ける年の合計所得金額が3,000万円以下であること
・・・住宅ローンの名義人が3,000万円超の所得を受け取っている場合はNG - 対象となる住宅の床面積が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上が自身の居住用であること
・・・床面積が50平米より小さかったり、床面積の半分以上を店舗や賃貸に回している場合はNG - 対象となる住宅に対して10年以上にわたるローンがあること
・・・10年未満の期間で組んだ住宅ローンはNG - 居住用にした年とその年の前後2年ずつを合わせた計5年間に、居住用財産の譲渡による長期譲渡所得の課税の特例といった適用を受けていないこと
・・・記述の通り(笑)

基本的な要件が5つもあるけど、うちのような一般家庭では問題ないかな。
控除期間・控除率が変わる!?
住宅ローン控除が受けられる期間や控除率が、契約するタイミングによって変わってきます。

執筆している2021年9月現在、まさに変わろうとしているときなのです!
ハウスメーカーの営業マンが「2021年9月末までに契約すればお得ですよ!」と急かし、不動産仲介の営業マンが「2021年11月末までに契約すればお得ですよ!」と謳うのはここが理由です。
注文住宅と新築住宅では契約のタイミングが異なるのですが、土地が見つかっていない我が家が9月中に注文住宅の契約をすることは考えにくいので、新築住宅を購入する前提で以下進めます。
注文住宅の場合も、基本的には契約のタイミングが異なるだけなので参考にしていただければと思います。

Phase1: 控除期間13年、控除率1%
まずは、一番オトクなたった今のルールです。
【条件】
・契約期限:2021年11月末
・居住開始期限:2022年12月末
【控除期間】
13年間
【控除率】
住宅ローン残高の1%(原則上限40万円)
(11~13年目は住宅価格×2%÷3)
Phase2: 控除期間10年、控除率1%
時間の流れに沿っているのでPhase2としていますが、Phase1の内容は消費税率アップによる期間限定の特別ルールのため、特別ルールが終わってもとに戻るという感じです。
【条件】
・契約期限:2022年3月末
・居住開始期限:2022年12月末
【控除期間】
10年間
【控除率】
住宅ローン残高の1%(原則上限40万円)
【期間最大控除額合計】
400万円
Phase3: 控除期間10年、控除額 支払利息同額
Phase3についてはまだ確定ではないですが、税制改正大綱に記載があり改定検討されていることがわかります。
確定ではないのでPhase2が延長される可能性もあります。ただ、延長されるというアナウンスもまだないのでPhase3に移ってしまう覚悟もしておいたほうが良さそうです。
【条件】
・契約期限:2022年4月以降
・居住開始期限:未定
【控除期間】
10年間
【控除率】
住宅ローン残高の1%または年間支払利息の低い方
【期間最大控除額合計】
400万円
2022年4月以降の契約になると損をする?
Phase3の通り控除額が「住宅ローン残高の1%または年間支払利息の低い方」となると、ほとんどの人が「年間支払利息の低い方」になります。
理由は簡単で、今は超低金利の時代だからです。
住宅ローンの利息が1%未満の人が多いので、ほとんどの人は支払利息よりも控除額の方が大きくなり、ある意味「儲かっている」ことになります。
昔はここまで金利が低くなかったから、住宅ローン控除で儲かるなんて考えられなかったと思います。

Phase3になると損をするというよりは儲からなくなるだけ。
我が家の場合はどうなるのか
それぞれのPhaseで購入した場合の控除額を計算してみます。
いずれも同条件にて比較をします。
- 住宅ローン借入金額4,000万円
- 住宅取得価格2,000万円
- 住宅ローン金利0.6%
- ローン名義人の年収520万円
- 扶養控除等なし
Phase1の場合
2021年11月に契約をし、早速2021年12月に入居した場合です。
年収520万円だと所得税だけでは控除額を大きく下回るため、住民税からも控除されます。
しかし、住民税からの控除は上限があるため、10年目までは毎年控除できない金額が発生していまいます。

Phase2の場合
2022年1月に契約をし、2022年4月に入居した場合です。
1~10年目まではPhase2と変わらないですが、11~13年目が控除されないため合計金額は3年分少なくなります。
※入居開始の月が異なると年末の借入金残高も異なるため、住宅ローン控除額も変わります。1月入居よりも12月入居の方が若干オトクですが、今回は全額控除できないため変わりません。

Phase3の場合
2022年4月に契約をし、2023年1月に入居した場合です。
住宅ローン控除額は、利息分となります。
※詳細の計算は大変なので前年末残高に0.6%を乗じています。

やっぱり今契約するのが最もオトク
Phase1とPhase3の「控除できた金額」を比較すると、その差は1,217,355円となります。
やはり、2022年4月以降に税制が改正された場合、還ってくる還付金には大きく差が出ます。
反対に、Phase1とPhase2の差は461,700円でした。
普通の感覚で言ったら大金なので、既に心に決めた物件があって11月に契約するか、12月に契約するか悩んでいるのであれば絶対に11月に契約をした方がオトクです。

たった1ヶ月契約日が変わるだけで46万円も違うなんて凄い!
我が家は希望の湘南エリアで物件がとても少なく、現時点では購入の決断をするような物件に出会えていません。
今回計算をしてみて、46万円の差であれば無理に妥協して11月末までに契約するという必要はないかなぁと思いました。
ただ、2022年4月に税制改正されてしまうとその差は歴然なので、遅くとも2022年3月までには出会いたいなぁと思いました。

注文住宅の場合、契約日が間に合ってもウッドショック等の影響で引き渡しが2022年末に間に合わない可能性があるから要注意!
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